原因はなんだ!?

それは年末の出来事

弊社事務所とは、別に借りている倉庫が1階

2階にオーナー宅、3階が賃貸アパート

オーナー:年末にごめんね。天井から水がポタポタ漏ってるんだけどみてくれない?

との連絡が入りました。

直近はしばらく雨も降ってないし。

んん~、 状況を見てみないとわからないな。

てな訳で、

現地調査に向かうと…

これ…,

昨日、今日の漏水じゃありませんね..

ビニールクロスが破けて、下地のベニヤもボロボロ。

まあ、でも発生した場所の真上は賃貸アパートの水廻り箇所だったと記憶していたので

3階のアパートの鍵を開けてもらい、現場検証。

漏水した前日に入居されていた方が退去したばかりとのこと。

・・・何か関連性を感じる(名探偵 オリファク)

やっぱりここだと思うんだよな。

作りは鉄骨造。床下地はモルタル。

壁は..,何回かやり直してるようで、内壁はブロック塀、仕上げはタイル。

さらにその上にバスパネルを張った仕上げになってますね。

トップの防水は所々はがれてるし、亀裂もあちらこちらに。

下地の防水状況はどうなってんだか壊してみないとわからないけど、

2階の漏水位置と、3階の水廻りをみると、洗い場の排水口が一番あやしい。

次に、

ここ!

手洗いタンクの中。 給水管が床のコンクリートを貫通してる。

この穴の隙間からの漏水か?

あとは、トイレ本体の排水穴付近か。

この手の在来工法による浴室、水廻りのトラブルは結構多いんですね。

経年劣化、亀裂、配管接続不良など様々な原因を考えて、

いざ、修理しても直らないじゃ~通りませんから。

ユニットバスに変更するのが手っ取り早いし、安心だけど、

昔は3点式といって居住空間を少しでも広く使えるように

浴槽、洗面、トイレをまとめた水廻り場が主流だった時期もある

しかし!

こちらのアパートはさらに狭い空間にトイレ、シャワースペースを設けているので

収まるユニットバスがあまりに少なく、またあまりにも費用が大きくなるのであきらめました。

計画については話しが長くなるから中略!

とにかく、工事開始!

まずは1番気にしていた洗い場排水口箇所を解体

すると案の定、排水管付近の壊れたモルタルや下地の砂?が水浸し! べちゃべちゃ!

付近から水がタイル下地まで回っていることは確かです。

こちらの排水管は3階の床下を貫通し2階の天井内に配管設備を設ける工法

そのため、オーナー宅の天井を解体し、3階からおりてくる配管の状況を確認しました。

この赤いデッキプレートの上がまさに漏水していた洗い場の排水管付近。

周囲の錆が著しく、白化したシミ後がデッキプレート周りまで水が回っていたことを示しています。

2階天井と3階の床を同時並行で解体していくこと、数時間。

(解体の順序)仕上げのタイル→仕上げ下モルタル30~40mm程度

→防水シート→下地モルタル50~60mm

・・・ん~、一見、工事内容としてはしっかり施工されているように思うんだけどな。

でも確実に水は回ってる。 一体、どこから?!

ようやく排水管の穴付近まで到達すると、

原因がわかった!

でたっ!

この下地インチキ。このスポンジと砂! 

排水管の穴を大きく開けた周りに詰め込んだだけかい…..。

あまりいいたくないけど、

適当な処理した後、どうなるか考えよう。

結果として

劣化した亀裂、又は排水配管とモルタルの隙間から水が浸入し

このスポンジや砂を埋め込んだだけの穴からすべて水が流れ込み、2階の天井へ。

施工スタートっ!

2階天井の下地材もボロボロだよ。 ったく!

まずは、2階天井から排水管周りの穴を塞いぐ!

そして、3階に床モルタルは大幅に解体して、中途半端な防水シートは撤去!

重要なのは解体した後の下地処理です。

そこは企業秘密なのでUPしませんが。。。

まあ、いろいろ設計して下地完成!

1層目の下地の形成が出来たら、完全に乾くまで3日程度乾かします。

2層目の下地形成では、従来とは設計を変えて、トイレスペースとシャワースペースに段差を設け

なるべく上手側に水分が残らないよう考えました。

勾配も完璧!

壁面の下地はっきりしないし、少し動きのあるバスパネル仕様であることから、床のモルタル被り、厚み、勾配、下地の処理

かなり神経使って考えました。

パネルと床モルタルの隙間もしっかり厚盛りコーキング

モルタルにシーラー処理をして、一層目のウレタン防水を塗布します。

厚めに塗布。

安全を確認したので、2階の天井を塞ぎましょう。

仕上げ防水の様子。 きれいに仕上ってます!

完成! 大変だった! もう漏水しない! 

※トップコートは定期的に塗り替えましょう!!

じゃんじゃん水かけ。 完璧! 

私の見解: 給排水配管設備は水道屋さん コンクリート・防水工事は左官屋さん又は防水屋さん

それぞれの仕事をするとき、お互いがどこまで処理するべきか打ち合せが足りなかった事が原因でしょう。

水道屋さんは給水、排水配管内部の水が漏水しないように配管することが仕事なので、排水外の漏水の事なんて考えてませんね。

左官屋さん又は防水屋さんは当然給排水外の漏水の危険性を考えた上で、施工しているんでしょう。( 防水工事は保証が厳しい業種のひとつです。 )

それは解体しながら仕事のプロセスひとつひとつを見ていればわかります。

しかし、他の職人が施した仕事には関与しない。

だから、水道屋さんが配管した周りの処理なんて見ていない。

誰が指揮するのか。

総合的な仕事をする上で、一番重要な部分が抜けてしまう。ここ大切ですよ!

日本の建築技術はすばらしい 

様々な業種の職人が、最高の技術や技能を目指して仕事してる。

オリジナルファクトリーの仕事に携わる職人は一流の職人ばかり

今回の防水工事も様々な観点から頭をひねらせてみんなで仕上げた仕事のひとつです!

本当にいつもありがとう!

おかめの笑顔がいつもより柔和な気がします。